赤は昔から魔除け厄除けの色として扱われてきました。赤は、とても強く生命力を感じる色です。
今回は、「赤色の魔除け効果」についてのお話です。
赤が魔除けになる理由
赤が魔除けになるのはなぜか。順に掘り下げます。
血液=生命力の色
赤を見ると、なんとなく元気が戻る瞬間があります。血の色に近いので、生きる力を連想しやすいのだと思います。
弱気な時期は、外からの雑音がやけに大きく感じられますが、赤は雑音を遠ざけ、自身の中から立ち上る「氣」の力を強める印象があります。赤色を見ると……
- 気力が立ち上がりやすい
- 不安の入り込みが弱まる
- 気持ちの立て直しが早くなる
生きる力を思い出すと、邪気だの厄だのと言われるものも、近寄りにくくなるのかもしれません。
火と太陽のイメージが守りにつながる
火は全てのものを焼き払います。邪気も邪念も灰にします。
太陽は生を支える源です。太陽がないと、人間は生きていけません。
そんな、火や太陽は赤色のイメージを持ちます。祭具に赤色が多い理由も、古代の人が「火や太陽の色だから、悪いものも逃げるだろう」と判断したからでしょう。
- 赤は「焼き払う」イメージが強い
- 長い歴史で確立された防御の色
火と太陽を前にして、邪気の方が先に退いたのかもしれません。
警戒色としての「あ、やめておこう」効果
自然界では、毒を持つ生き物ほど赤をまといます。赤の見た目は、一見しただけで「関わらないでおこう」と思わせる効果があります。
人間も例外ではなく、赤を見ると注意が向きやすくなります。信号機の止まれも、赤色です。
赤を見ると、本能的に警戒モードに入りやすくなるため、気持ちが引き締まります。引き締まった気持ちに、邪気は寄り付きにくくなります。
世界各地でも、赤は頼れると判断されてきた
国が違っても、文化が違っても、赤は魔除けとして使われてきました。これだけ意見が一致するなら、そこには理由があるはずです。
- 赤い飾り
- 赤い糸
- 日本の鳥居や、赤い産着など
みんな赤に期待してきたわけです。人類規模のレビューと言ってもいいくらいです。
やがて「赤はどうやら、強い力がありそうだぞ?」といった集合的無意識が定着し、「赤=魔除け」の刷り込みがより一層、強化されたのかもしれません。
赤色は、心理面で前向きになりやすい
赤を見ると、気持ちが前へ動きやすくなります。弱気は外からの影響を受けやすい状態を生むので、赤の刺激は魔除けと相性が良いです。
ただし、赤色は少し使いすぎると疲れます。便利なものほど、ほどほどの距離感が必要ですね。
赤は頼れるけれど、万能ではありません。そこがまた人間みたいで面白いです。
日本|赤の魔除け習慣
日本で伝わってきた赤の守護は、派手さよりも「祈り」のイメージが強く、暮らしの中に静かに根を張っています。
赤の魔除けは、賑やかな色であるにも関わらず、どこか控えめです。派手に目立つためではなく、気持ちを支えるための赤です。この静かな頼もしさが、長く愛されてきた理由だと思います
神社の鳥居の赤
鳥居の赤は、願いごとを通しやすくする象徴として、また、神の領域と下界との区分けとして扱われています。
- 赤い鳥居は結界の象徴
- 邪気を遠ざける境界として働く
赤い鳥居を見ると「ここで気持ちを切り替えよう」と自然に意識が整うので、結果的に悪い影響を呼び込みにくくなるのかもしれません。
赤い産着
昔は、赤い産着を赤ん坊に着せる習慣があったようです。体温が安定しない時期に赤い色で「生命の力」を補う意味が込められています。不安定な時代ほど、こういう小さな信頼が家庭の支えになりました。
- 赤は生命の息吹を象徴
- 弱い存在を外から守る役割
- 家族単位の魔除けとして受け継がれた
今もときどき赤い衣装を選ぶ家庭があるのは、その名残かもしれません。
郷土玩具に根付いた赤の守護
日本の赤は民芸品のなかにも生きています。その中でも、象徴的な存在として語られ続けているのが会津の赤べこです。愛嬌のある姿で、見ているこちらの気を軽くしてくれます。
赤べこは「幸運の牛」として、魔除け厄除けアイテムになっています。
祭礼の赤が生む空気の変化
日本の祭りでは赤い装飾や布がよく使われます。大げさに見える分、日常とは違う空気をつくるのがうまく、悪い流れを断ち切る役割を担ってきました。
- 非日常をつくり、気を切り替える
- 集団のエネルギーを持ち上げる
- 厄災を遠ざける象徴として配置される
赤の派手さが、祭りの高揚感と相性がよかったのだと思います。
赤を身の周りに加えるときのコツ(暮らしの中で使いたい魔除けの赤)
赤は強い色なので、使い方を知らないと疲れてしまいます。ただ、ちょっとした工夫で、とても扱いやすい守りの色になります。魔除けと言っても大げさな儀式は必要なく、暮らしにそっと混ぜるだけで十分です。静かに効いて、必要な場面だけ前へ出てくれる色です。
小物から取り入れると馴染みやすい
赤は面積が広いと主張が強くなります。服や家具から始めるより、ふだん使いの小物に加える方が、負担なく暮らしに馴染みます。
- 赤いキーホルダー
- 赤いポーチ
- 小さめの赤い石
- 赤のワンポイント入りの筆記具
どれも「守られている気がする」程度の距離感で使えるので、暮らしのリズムを崩しません。赤の勢いに押されないぶん、長く続けやすい取り入れ方です。
玄関や机まわりに静かな赤を置く
玄関と机まわりは、外からの気と自分の気がぶつかりやすい場所です。ここに赤を少し置くと、空気が落ち着きます。派手な赤ではなく、深みのある赤が向いています。
- 玄関の赤いタッセル
- 机に小さな赤い置物
- 深紅の布を少し敷く
誰かに見せつけるわけではないので、赤の主張は控えめで構いません。そっと存在してくれれば、それで役目を果たします。
身につける赤は少量の方が効きやすい
服の面積が大きい赤は、どうしても勢いが強くなります。魔除けとして使うなら、少しだけ身につける方が扱いやすく、気持ちのリズムも乱れません。
- 靴下のラインに赤を入れる
- ピアスやイヤーカフに赤をひと粒
- ブレスレットに赤をワンポイント
「これくらいで効くのかな」と思うくらいの小さな赤で十分です。働きは穏やかですが、日常の守りにはその穏やかさが向いています。
寝室には赤を持ち込まない
寝室は休息の場なので、気持ちを刺激しすぎない方が楽に過ごせます。赤が悪いわけではなく、元気が出すぎて眠りにくくなるだけです。
- 寝具は赤を避ける
- 朝の支度スペースだけに赤を置く
- ベッドの近くでは使わない
赤は「動くエネルギー」なので、休む場とは相性がいまひとつです。この棲み分けをしておくと、赤の働きが素直に効きます。
必要な時だけ強めの赤を使う
どうしても気持ちを切り替えたい日や、落ち着かない場面では、少し強めの赤が役立ちます。短時間なら疲れにくく、効果だけ受け取れます。
- 赤のストールを短時間だけ
- 赤いノートや手帳で気分転換
- 赤いアクセサリーを勝負の日だけ
日常は穏やかに、ここぞという時だけ強く。赤はこの使い分けが一番しっくりきます。
魔除け目的で選びやすい赤い石
赤い色彩には、古くから「迷いや弱さを断つ強さ」「災厄を遠ざける意志」が重ねられてきました。
ここでは、暮らしに馴染みやすく、守りの用途で人気が高い代表的な赤い石を紹介します。
レッドタイガーアイ(赤虎目石)

赤い光沢が印象的で、鋭い観察力や判断力を後押しする石。視線を弾くような輝きが強さを象徴し、魔除けとして取り入れやすい。
人間関係で疲れやすい人、相手の感情に振り回されやすい人、職場の空気に敏感で影響を受けやすい人におすすめ。
ガーネット

深みのある赤色が力強く、周囲の雑音に流されない芯を保ちやすい。厄を遠ざけ、意志を貫く形でサポートする場面が多い。ガーネットはアクセサリーに加工されやすく、普段使いしやすい点も魅力。
レッドジャスパー

大地のエネルギーを連想させる穏やかな赤が特徴。強靭な土台を象徴するため、精神が揺れやすい時の魔除けとして人気。
カーネリアン

明るく温かみのある赤が魅力で、生命力と前進力を象徴する石。気分が落ち込む時や、周囲の雰囲気に飲まれやすい時、魔除けと活力アップを同時に担いやすい。
赤珊瑚

海の生命力を宿す赤として、日本でも古くから災厄よけの意味で大切にされてきた素材。柔らかい印象の赤色が、優しさと守りの両方を支える。人の相談を受けやすい人、気を吸われやすい人向き。
ロードナイト

赤の中に黒い模様が入り、バランスの取れた安定感が魅力。周囲の負の感情に巻き込まれたくない時や、気疲れしやすい環境で力を発揮。
- ネガティブなムードの影響を受けにくくなる
- 自分の心のペースを守りやすい
- 人付き合いの緊張が軽くなる

