塩で魔除けw 本当に効くの?【考察】

塩で魔除けw 本当に効くの? 考え

世の中には「塩で魔除けができる」と申す者がおる。

玄関先に白い三角の山を築いたりするアレとか。

盛り塩

部屋の隅に、そっと盛られた小皿の塩山、見かけた経験はありませんか?

あれって本当に意味あるんでしょうか。

私の経験上、塩とは食事の風味を増すための調味料。あるいは食材の保存の手助けをするアイテム……というイメージしかない。

というか、「塩」や「粗塩」で邪気が祓えるなら、スーパーマーケットやコンビニの塩売り場って最強の聖域じゃないですか。

塩職人なんてもう、全身ピカピカに浄化されてるはず。……うん、そんなバカな話あるか。

ただ、「塩=清め=魔除け」っていう発想そのものは、実は意外とちゃんとした歴史背景がある様子。

そこで、今回は「塩の魔除け効果」について、ちょっと考えてみた。

「塩=神聖なるもの=魔除け」という観念は、世界的にガチぽい

日本では葬儀のあとに塩をまいたり、相撲で土俵に塩を撒いたりする。

これらは全部「穢れ(けがれ)を祓う」ための儀式。

また、塩によるお清め効果は、日本だけの専売特許ではない様子。

異国のならわしにも目を向けると、

古代ギリシャでは神に捧げる神聖なものとされていたとのこと。
(塩=腐らない=永遠)

ヨーロッパでも「悪魔は塩を嫌う」なんて言い伝えがあり……

悪魔は塩とパンと油を嫌う

Wikipedia

つまり、塩は古今東西「守りの象徴」として大事にされてきた事実が見てとれる。

となると、塩の魔除け効果には「歴史に筋」が通っているため、塩の神聖性については、普遍的だと言えそうだ。

科学的には…当然、効くわけない

とはいえ、化学の目から見れば塩はただの塩。

理科の時間で習った通り、塩=塩化ナトリウムであり、NaCl。白く乾いていて、よく舐めればしょっぱい。

しかし、霊を祓うなどという性質は一切確認されておらん。

……でも、不思議と「塩には、特別な意味がある」と感じた瞬間から、人の内面に「何か」が作用するんですよね。

塩に魔除け効果を求めるなら「どう使うか」が鍵

塩を無言で床に撒くだけでは何も起きない。ただの「塩をこぼしている、変な人」ということになる。

塩で穢れを祓いたいと願うなら、そこに「意図」がないと何も起きません。

結論、塩そのものに霊的作用があるというより、「この塩は魔除けである」と意図する人の思いこそが、塩を魔除けアイテムに変化させる鍵だと、筆者は考えた。

  • 玄関に盛り塩を置いて「今日も無事に過ごせますように」と願う
  • 嫌な空気を感じたあとに塩を撒いて「気持ちを切り替えよう」と決意する

こうした心持ちこそが、塩に「魔除け」という特殊効果を与えているのではないかと。

つまり、塩とは魔除けの道具ではなく、魔除けの意志を表すための象徴。魔除けという行為は、結局のところ塩ではなく人の手にかかっていると思われる。

海に入れば、塩の効果で魔除けできる?

「塩が魔除けに効くなら、海に行けば無敵じゃん」

なるほど、確かに。

塩のかたまりとも言える海は、たしかにパワースポットになり得る。

つまり「海に入れば、ある意味では、魔除けできる」といえると思う。

ただ、海については「魔除けの道具」というよりも【邪を払う「場」】と考えるほうがしっくりくる。

海は、古来から「禊(みそぎ)」の場として使われてきた。

日本の神話に登場する「イザナギ神」も、自らの穢れを流すために、川に入ったと聞く。川へ流れた穢れは、海へと辿り着く。

現代でも、確かに潮風に当たっていると、気分がリセットされる感じはある。

つまり、海は自分を 「整える場」として尊ばれてきた。

塩がピンポイントで使う道具だとすれば、海は全身で委ねるような場所。

「海=魔除け」というのは、なんか違う感じがする。

スーパーの塩コーナーは、魔除けにならない

もし本当に塩に魔除けの力があるというなら、最も強力な結界はスーパーマーケットの塩売り場になってしまう。

何十種類もの塩がぎっしり並び、袋詰めにされ、人々の手に渡っていく。そんな場所に悪しきものが近づけるはずもない。

スーパーで働いている方々も、毎日大量の塩に囲まれているわけである。こうなると、彼らが最も霊的に守られているということになってしまう。

結論:人が「意味」を込めた時、塩は塩以上になり、魔除け効果を発揮させる

正直、「盛り塩置いたら悪霊がシュバッて逃げてった!」みたいな即効性は期待しないほうがいいと思う。

でも、「これで一区切り!」と塩を撒くことで、スッと気持ちが切り替わる瞬間はある。

つまり、塩は 「魔」に効かせる、媒介アイテム。人の気持ちの増幅装置ともいえる。

  • 塩そのものが、霊的な何かに作用しているかは、ぶっちゃけわからない
  • けれど、自分の内側に効いている実感があるなら、それで十分

塩は塩に過ぎない。しかし、人が意味を込めた時、塩は塩以上になる。

魔除けとは霊との対峙ではなく、自分自身との対話だと思われる。

おまけ:塩で魔除けしたいときのゆるガイド

「塩を魔除けで使いたい」――気になった人向けに、ゆるく使い方を挙げておきます。

盛り塩

  • 盛り塩は白い器に、三角錐で盛ると、様式美としてグー
  • 盛り塩は、邪悪な気配がする箇所や、悪い気が貯まりそうな場所に置く
  • 置いた塩は、数日に1回は替える
  • 塩が湿ってたら、働いてくれた証拠……かも

盛り塩以外

  • 塩風呂もおすすめ。粗塩をひとつかみ入れるとで、気分が意外とすっきりする
  • 「海を見に行く」も、立派なリセット行動
  • 塩をビンに入れたり、紙に巻いたりして持ち歩くのもステキ

最後に:塩を使いこなせ!魔を祓え!

塩で魔除け――そんなバカな。とは思う。

だが、行為に意味を与えるのは、いつも人間の側である。

塩はただの塩。信じるかどうかより、どう使うかが重要。

塩に、己の願いを込める。すると、塩が魔除け効果を発揮する。

それがすべて。たぶん。